イベントブランディング+Web+販促物
和歌山ものづくり文化祭(ものぶん)
Overview案件概要
| クライアント | 和歌山ものづくり文化祭(主催:和歌山オープンファクトリー推進委員会) |
|---|---|
| 業種 | 体験型オープンファクトリーイベント |
| 体制 | 製造業を営む30代の有志3名で立ち上げたばかりの民間団体 |
| 初回開催 | 2022年11月(以降継続開催・2026年で5回目) |
| スタート時の状態 | ロゴもWebサイトもなく、世界観を束ねる担い手もいなかった |
| 関わり方 | 当初はロゴデザインの依頼。以降、アートディレクターとして実行委員会に参画し、2022年から毎回のデザインを担当 |
| 提供領域 | コンセプトの言語化・ロゴ・VI・Webサイト・パンフレット・ポスター・当日ガイド・会場サイン・グッズ・JR窓ジャック広告 |
Results数字で見る
ゼロからつくった世界観で、毎年6,000人以上が集まるイベントへ。
毎年の来場者数(第1回 2022年11月から継続。2025年秋はのべ6,019名/2日間)
第1回(2022年11月)の売上
初年度のメディア掲載
来場者満足度(2025年秋開催)
有料体験・購入をした来場者の割合(2025年秋)
「工場見学をしてみたい」と答えた来場者(2025年秋)
出展企業・ブース数(2025年秋)
※ 2025年秋の数値は、主催の実行委員会が発行する協賛案内(来場者アンケート234件にもとづく)によります。
Story取り組み
Issue課題 — 食べものも、売りものもない。それでも人を呼ぶ
和歌山ものづくり文化祭は、製造業の魅力と地域活性化を結びつけた体験型のオープンファクトリーイベントです。主催は、製造業を営む30代の有志3名で立ち上げたばかりの民間団体・和歌山オープンファクトリー推進委員会。「ものづくりの街」としての知名度が和歌山にまだない状態からのスタートでした。
このイベントには、設計上の大きな賭けがありました。地域イベントの集客の鉄板である飲食や物販を主役にせず、「ものづくりの体験ワークショップだけ」で人を呼ぶ、ということです。体験は、目に見えない。ポスターに「おいしそう」は載せられない。見えない価値を、デザインでどう可視化して、来たいと思わせるか——それがこの仕事の核心でした。
しかも主催・事務局はクリエイターではなく、従業員10名規模の町工場を営む出展者当事者たち。人も、時間も、常に足りない。ロゴもWebサイトもなく、世界観を束ねる担い手がいませんでした。
Process 1関わり方 — ロゴ1点の依頼から、実行委員へ
弊社への最初の依頼は、ロゴデザイン1点でした。しかし話を聞くほど、必要なのはロゴ単体ではなく、イベント全体の世界観と、それを毎年守り育てる体制だと分かってきます。私たちはアートディレクターとして実行委員会に加わり、外注先ではなく「中の人」として動く関わり方を選びました。以来、2022年の初開催から毎回、デザインの一貫を担っています。
Process 2世界観の設計 — 思いを、ビジュアルに翻訳する
創設メンバーへのヒアリングから、コンセプトの言語化とビジュアルへの翻訳を進めました。軸に据えたのは、この言葉です。
和歌山らしくて、和歌山らしくない。
— イベント全体を貫くビジュアルの軸
モチーフは2つ。グリーンのラインで描いた輪っかは、ものづくりの営みが地域へ広がっていく波紋。蛍光オレンジのひし形は、人の手がつくり出す人工物=製造業のメタファーです。ローカルイベントにありがちな「手づくり感」でも、行政的な「きちんと感」でもない、工業の格好よさと祝祭の楽しさが同居するビジュアルをつくり、フライヤー・ポスター・Webサイト・会場サイン・スタッフTシャツ・ステッカーまで同じ世界観で貫きました。JR和歌山駅の窓ジャック広告では、まちの空間そのものへ世界観を延長しています。
Process 3継続の設計 — 固定するものと、変えるもの
単発のイベントデザインと違い、毎年続くイベントには「一貫しながら、飽きさせない」設計が要ります。ロゴとモチーフは固定し、カラーリング・線の太さ・配置・前回開催の写真との組み合わせで、キービジュアルを開催ごとに更新する。この「固定と刷新」のルールを決めてあるから、回を重ねるほどイベントの顔が積み上がっていきます。あわせてロゴ使用ガイドラインや資料のデザインテンプレートも整え、事務局が自分たちで使える形にしています。
After現在 — 数字が証明し、自走が始まる
賭けは、数字で答えが出ました。第1回(2022年11月)は来場6,000人・売上300万円・メディア掲載25件以上。以降も毎年6,000人以上が訪れ、2025年秋開催では、のべ6,019名の来場者の93.2%が「満足」、70.0%が有料体験や購入をし、80.8%が「工場見学をしてみたい」と答えています。体験だけで人を呼び、その体験が出展企業への関心にまで転化している——オープンファクトリーとして理想的な循環です。
活動は全国からも注目され、近畿経済産業局の「OPEN FACTORY REPORT」に選出。各地のオープンファクトリー主催者からの視察や交流が生まれ、国内有数のオープンファクトリー「RENEW」(福井・鯖江)への出展など、担い手同士のつながりも広がっています。
これまでの開催は、和歌山県の共催に加え、近畿経済産業局・中小機構近畿本部・和歌山市の後援と、行政の力強い後押しのもとで育ってきました。5回目を迎える2026年は、地域の企業・団体・個人の協賛を土台にした自走型の開催へ。3人の思いから始まったイベントが、地域に支えられて立つイベントに育っていく——その歩みに、これからもデザインで伴走します。
Deliverables展開物
Scope手がけたもの
- コンセプトの言語化
- ロゴ
- ビジュアルアイデンティティ(VI)
- Webサイト
- パンフレット
- ポスター
- 当日ガイド
- 会場サイン
- グッズ(ステッカー/バッヂ/Tシャツ)
- JR窓ジャック広告
- ロゴ使用ガイドライン・デザインテンプレート