ブランドづくり+Web+店舗ツール
川越プリン(株式会社スマイルーリンク)
Overview案件概要
| クライアント | 株式会社スマイルーリンク(川越プリン) |
|---|---|
| 業種 | プリン専門店(埼玉県川越市・運営8年以上) |
| ご相談の節目 | 「事業として成り立たせる」段階から「川越の魅力をどう伝えるか」へ |
| 体制 | 代表・部長・エリアSV・店長が参加するワークショップ全5回で理念を共創 |
| 期間 | 2025年11月〜。約7か月で理念の再定義から2号店開業・Web公開まで |
| ステータス | 進行中(2026年5月に2号店オープン) |
| 提供領域 | コンセプトブック・理念/ブランドストーリーの言語化・製本ブランドブック・Web・リーフレット・店内ツール・動画・デジタルサイネージ |
Results成果(進行中)
ブランドを問い直し、川越とともに育つブランドへ。
プリンと一緒に、川越愛を届けたい。
川越のまちと、ともに。これからも、ひと瓶ずつ。
— ブランドを貫く合言葉。コンセプトブックからWeb・リーフレット・店内ツールまで一貫して展開
2026年5月にオープン(出店拡大=ブランディング後の前向きな結果)
公式サイトのリリース30日の訪問(参考)
流入のうち検索からの自然流入(参考・GA4)
※ 進行中の案件です。訪問数・自然流入割合は公式サイトのGA4にもとづく参考指標です(2号店オープンはGA4計測とは別の事実です)。
Story取り組み
Issue課題 — 売れている。でも、ファンになってもらえていない
川越プリンは、蔵造りの町並みで知られる川越で、8年以上プリン専門店を営んできました。観光土産としてはしっかり売れている。それでも経営陣には引っかかりがありました。買ってくれるのは観光客が中心で、リピーターやファンが育っていない。川越の外では、まだほとんど知られていない。
開業当初は「事業として成り立たせること」が最優先でした。運営を重ねる中で、「川越の魅力を、もっと深く伝えられるはずだ」という思いが育ち、経営の節目を迎えていました。折しも2026年5月には、イートインを備えた2号店の開業が決まっていました。そこまでに、ブランドの土台をつくり直す。期限のあるリブランディングが始まりました。
Process 1ワークショップ全5回 — 「なぜプリンを売るのか」を全員で掘る
2025年11月から約1か月半、代表・事業部長・エリアSV・店長が参加するワークショップを5回重ねました。オンラインと川越での対面をまじえ、毎回宿題つき。たとえば「未来新聞」——10年後、自分たちが新聞に取り上げられたと想定して記事を書いてもらう課題や、「自社を人に例えると?」という問い。出てきた答えは「ご当地芸人」「人と人を結ぶキューピット」。遊びのようで、会社の自己認識がそのまま出てくる問いです。
ターゲット設定にも、はっきりした基準を置きました。選んだのは「川越に2回以上来ているリピーターで、川越プリンを一度食べたことがある人」。母数の大きさではなく、「この人に届けば、まわりに広がっていく」影響力で選ぶ——ファン層の起点になる人を絞り込みました。人物像を掘り下げて見えてきたのは、「手土産を渡すときに、ひとこと語れる根拠が欲しい」という気持ちです。味だけでなく、語れる背景まで含めてブランドである——設計の向きが、ここで定まりました。
最終回では「川越とは何か」を参加者全員がそれぞれ定義しました。人・文化・歴史・特産の束。舞台。発信者。和心。答えはバラバラで、だからこそ、それをひとつに束ねる対話に意味がありました。
川越を最も体験でき、語れるプリン店になる。
— ワークショップ全5回を経て、全員で合意したゴール
Process 2決断 — ロゴも色も、変えない
このリブランディングには、少し珍しい決断があります。ロゴやブランドカラーといったVI(ビジュアルアイデンティティ)を、変えないと決めたことです。事業の中身が変わらないなら、見た目の一新に投資するより、物語・人・素材・背景といった「情報の設計」を強くするほうが効く——ワークショップでの議論を経て、全員でそう合意しました。
「川越らしさ」の扱いにも設計が要りました。川越名物の芋に寄せすぎると、主力のなめらかプリンの立場が弱くなる。そこで素材で縛るのではなく、読み物・店内の表現・接客のひとことで川越らしさを担保する方針を取りました。
Process 3コンセプトブック — 判断の拠りどころを1冊に
ワークショップの成果は、全34ページのブランドコンセプトブックにまとめました。ミッションの再定義から、ペルソナ、川越の再定義、話し方のトーン(断定せず、根拠を語る)、写真の撮り方(作為的な”映え”を避け、空気感を撮る)、そして日々の判断基準まで。スタッフを「プリンの販売員」ではなく「川越の魅力を編集して伝える案内人」として位置づけ、迷ったときに立ち返れる基準を1冊に収めています。
Process 4取材 — 川越の担い手を、実際に訪ねる
「川越を語れる店」になるには、語れるだけの中身が要ります。私たちはクライアントとともに、川越の生産者・職人を実際に訪ねました。川越いもの農家、和紙提灯、織物・川越唐桟の呉服店。芋農家では、この土地の農法が農業遺産に選ばれた経緯まで聞くことができ、参加者全員が引き込まれました。こうして集めた一次情報が、Webの読み物や店内の表現の元素材になっています。
Process 5Webサイト — 川越を感じてから、プリンに出会う
公式サイトは、情報の順番から設計し直しました。開くとまず川越の今日の天気、次にブランドムービーと合言葉、それから商品へ。「単なる商品サイト」ではなく、川越を感じてからプリンに出会う流れです。ものづくりのページでは、川越産にこだわる素材と、品質のために選び抜いた素材を分けて、正直に書く方針を採りました。
作り直しで過去の資産を失わないことにも気を配りました。旧サイトにはテレビ番組名との組み合わせで検索されて訪れる長年の流入があり、記事の移行とリダイレクトの整備でこれを引き継いでいます。あわせて全14商品の英訳、店内の伝統工芸キャプションの日英併記まで、観光地の店に必要な足回りを揃えました。
Afterその後 — 1号店は王道、2号店は実験
2026年5月、2号店がオープンしました。1号店は川越プリンの王道を張る看板として、2号店は新しい価値を試す実験の場として——2つの店に役割を持たせる設計も、ワークショップで決めたことです。店頭ではA型看板への反応が良く、立ち寄るきっかけになっています。
リブランディングは、自己紹介の準備が整った状態にすぎません。ここからブランドを育てるのは日々の発信と接客です。私たちは公開して終わりにせず、スタッフが自分たちでサイトを更新できるようマニュアルと対面レクチャーで引き渡し、いまも伴走を続けています。
Deliverables展開物
Scope手がけたもの
- コンセプトブック(全34ページ)
- 理念とブランドストーリーの言語化(WS全5回)
- 製本ブランドブック
- Webサイト(WordPress構築・記事移行/リダイレクト・WebP化・SEO設計・GA4計測)
- リーフレット
- 店内ツール(メニュー表・プライスカード・POP・看板)
- デジタルサイネージ
- ブランドムービー・SNSショート動画
- 伝統工芸キャプション(日英併記)
- スタッフ向け運用マニュアル・レクチャー